左右のタイヤを上方からみると、前端が後端より若干、短くなっています。この差をトーイン(単位mm)といいます。
逆に前瑞が開いていればトーアウトとなります。一般にほとんどのクルマはトーインに設定されています。
トーの役割
• タイヤの抵抗によるトーアウト化の防止
前輪にプラスキャスターがつけられていると、直進時でも駆動力に応じて常に前開きになるようにモーメントが働きます。そこで、あらかじめトーインをつけることで走行中、トーアウトになることを防止しています。
• キャンバーによる、トーアウトの防止
プラスキャンバが付けられているタイヤはクルマの外側に進もうとします。ところが左右の車軸は前輪の場合、タイロッドで連結されているため、外側に進もうとする力は横すべりとなってタイヤの磨耗を早めることになります。そこで、トーインをつけタイヤを内側に進ませようとすることでたがいに打ち消し合い、結果としてタイヤを直進させます。
トーによる不具合
• トーイン過大
タイヤは常に外側から内側へこすられている状態となるため、内側に向かった羽根状のギサギザができます。また、前輪の左タイヤだけ磨耗が早いケースもあります。これは、トーインがそれ程過大でない場合に発生します。かまぽこ状の道路では車両本体が路面の低い左側にずれます。ドライバーはこれを直すため、常に右側ヘステアリングホイールを切っていることになり、この結果、右前輪は走行方向とほぼ同じ向きになりますが、左前輪はかなり内側にこすられながら進むことになります。
• トーアウト過大
タイヤは常に内側から外側へこすられる状態となるため、外側に向かった羽根状のギサギザができます。また、前輪の右タイヤだけ磨耗が早いケースもあります。これは、トーアウトがそれ程過大ではない場合に発生します。かまぽこ状の道路では車両全体が路面の低い左側にずれます。ドライバーはこれを直すため、常に右側へステアリングホイールを切っていることになり、この結果、左前輪は走行方向とはぼ同じ向きになりますが、右前輪はかなり外側にこすられながら進むことになります。